悲しい気持ちになったことがある人は、人の悲しみがわかります。どんな時に、悲しくなるのか、どんなに悲しいのか知っていれば、つらい人によりそえるし、悲しい人に向かって、適切な言葉を発することができます。

怖れを知る人は、謙虚になれます。どんなに出来る人でも、すべてが上手くいくことはありません。こわいもの知らずの恥知らずでは、はずかしいですね。人生を知れば知るほど、怖れを感じるものです。怖れを知っている人こそ、まだまだだと思い、謙虚になり、成長できます。

怒りの感情を知る人は、人の痛みがわかります。人は、いつ、どのようなことで怒るのか、どんな時に愚痴を言いたくなるのかがわかっている人は、人を怒らせるようなことをしません。何が失礼で、どこに気づかなければいけないのかがわかり、コミュニケーションが上手くとれます。

悲しい気持ち、怖れる気持ち、怒りの気持ちは、ネガティブな感情です。無視したくなります。感じないようにしたくなります。ですが、これらの感情を体験することで、人の気持ちがわかり、人とのかかわり方が上手になります。

あらゆる感情を知ることは、人としての成長につながるように思います。ただし、暗い感情には、あまり長くひたりすぎないように。悲しみ、怖れ、怒りは、味わってもいいですが、ひたってしまうと、抜け出すのがたいへんで、暗い雰囲気が身についてしまいますから、要注意です。

(2012.12.14)