舞台は、神聖な場です。ただの板のように見えますが、舞台に立つには、資格がいるんですよ(笑)。資格を与えるのは、多分、神様です。(どこかの宗教に傾倒してはいませんので、ご心配なく)
正義の味方の役を演じる人が、実生活では、陰で悪口言っているのを聞くと、どう思いますか。
優しい役をやっている人が、実生活では、お世話になった人に、お礼の言葉も言わないのを観て、どう思いますか。
人を助ける役をする人が、まわりの人に協力しないのをみて、どう思いますか。
素敵な台詞を言う人が、日常では、嘘をついたり、人のせいや何かのせいにするような人だと、どう思いますか。
台詞は作り物だから、お芝居はフィクションだから、実物は、常識はずれやマナー違反をしても、いいのでしょうか。違います。嘘では、いけないのです。裏表のある人は、舞台に立つ資格は、ありません。ヒーローは、ヒーローでいるべきです。正義の味方は、日常も正義の味方であるべきです。舞台の上だけ、言葉だけ、台詞だけ、素敵な人でなく、実際も素敵な人であるべきです。
台詞や言葉、声、表情には、どのようにとりつくろっても、本当の姿が出てしまうものです。声や言葉、表情は、とりつくろっても、誤魔化せないのです。人は、裏と表があってはいけないのです。裏表のある人は、けして、舞台に立ってはいけません。
もし、とんでもなくひどい人、あさましい人が、舞台に立っている、としたら、それは、改心する機会を与えられているのでしょう。舞台で演じることができることに感謝し、「自分はこれでいいのか」と反省しなければ、いずれ舞台から立ち去ることになります。舞台には、こういう力が働くものです。舞台には、神様がいるのですから(笑)。
役者だけでなく、講演や、演奏など、舞台(ステージ)に立つ人は、人柄がとても大切です。舞台の神様の機嫌をそこねないように、裏表のない良い人でいましょう。舞台に立つために。
(2011.12.23)