取材で、神戸の空襲の時の話しをうかがったとき、泣きそうになりました。
ある方の亡くなったお母さまの思い出を書いたエッセイを収録していると、スタジオで涙がこぼれそうになりました。
太宰治の「きりぎりす」、村上春樹の「ノルウエイの森」を声に出して読むと、泣けてきます。
泣くのは、私の自分勝手な感情です。聞いてくださる人にとっては、私の涙は邪魔になります。物語や話しの内容をどう想うかは聞き手の自由だからです。本番で涙を流しては、いけないと想います。
どうしても泣けてくる時は、稽古の段階でとことん泣いておけばいいのです。読むたびに涙を流し、泣かずに声に出せるようになるまで稽古して本番を迎えればいいのです。
インタビューなど話をうかがうときは、自分の気持ちはしまって、真摯に、ただ話しを聞くことに集中すればいいのです。
泣くは、無くです。不調和な感情を無くしてくれます。涙が流してくれます。
失敗したから、悔しいから泣く、というのは恥ずかしいものですね。いい大人がしょっちゅう泣くというのも避けたいですね。ですが、本当に悔しいときは、泣けばいいと想います。涙を流すとスッキリします。気持ちを切り替えて次に進めるきっかけにもなります。
一人で泣くのもいいですし。黙ってあたたかく見守ってくれる人の前でなら、安心して泣けますね。
(2010.2.11)