話す仕事は、自分の調子が良いときもよくないときも、喜んでいただかないといけません。苦しい時や、悲しい気持ちの時、体調の良くないときもあります。そんな時でも、聞いてくださる人たちのために話さないといけません。気持ちの強い人ができる仕事のように思われてしまいますが・・・。

聞いてくださる人のために話しているはずなのに、いつのまにか私の方がエネルギーをもらっていることに気がつきます。

スタジオで収録しているときは、聞いてくださる人はみえません。ですが、聞いてくださる人たちのことを思って話しているうちに、みえない相手に力をもらっているような気がします。

観客が目の前にいるとき、私の話す言葉に、やさしい表情でこたえてくださる人がいます。とても励みになります。

ちょっとした会話でも、話しかけた相手がかえしてくれた言葉に、ホッとすることはよくあります。

苦しいとき、調子のよくない時ほど、話しかけた相手がかえしてくれた言葉に慰められ、癒されます。

話すということは一方的なことではなく、聞いてくださる相手がいて、その相手が気持ちをかえしてくれるものです。あらためて話すことのすばらしさを感じます。

(2009.3.14)