点数であらわれない能力を磨く
アナウンサーの就職試験は、試験といっても、大学入試とは全く異なります。筆記試験で高得点をとれば偏差値の高い大学に合格できるという大学入試のイメージのままでは、就活試験は難しく感じるでしょう。大学入試で上手くいったからといって、就活は同じようにはいかないものです。就活になると、大学入試とは異なる能力が試されます。大学入試が上手くできた方も一から取り組む必要があります。
アナウンサーになるためには、点数ではあらわせない能力を伸ばす必要があります。
点数であらわれない能力とは、気がつく、気配りができる、人の気持ちがわかる、人の気持ちに配慮して発言できる、その場にふさわしい話ができる、話し方が素敵、文章力がある、様々な場面に対応できる、筋の通った考え方ができる、などなど、社会人として必要な能力です。これらの能力はアナウンサーに限らず、社会人として必要なことばかりです。
一般教養などの筆記試験の点数が高いからといって、これらが優れているとは限りません。これらは、筆記試験では、わからないことです。大学入試の時にはあまり必要とされなかった能力が、就活になると必要になるのです。就活になると、自分自身を正面からしっかりと見つめないといけません。
社会人として必要な能力を身につけることは、私どものアナウンススクールで、力を入れて指導しているところです。私は長く大学生の指導をしていますが、同じ大学で同じ年齢でも、子供っぽい学生もいれば、大人に成長している学生もいます。点数であらわれない能力については、できている人もいれば全くできない人もいて、一人一人違います。こういった能力の成長にはかなり個人差がありますので、一人一人に合わせて指導しています。
(2019.05.05)