対談:アナウンススクール先輩・沼倉真里子さん

大学時代に私のアナウンススクールに通っていた沼倉真里子さんとお話する機会がありました。沼倉さんは、大学卒業後、平成11年に「FMとやま」にアナウンサーとして入社、平成17年秋からはフリーで活動しています。東北放送(テレビ)でニュースを読んでいる姿はみなさんも見たことがあるかと思います。アナウンサーをめざすみなさんに参考になるお話を伺いました。(詳しいプロフィールは最後に)

細川:アナウンサーになろうと思ったきっかけはなんですか。
沼倉:大学時代に、テレビ・ラジオ局でアルバイトをしたことがきっかけです。現役のアナウンサーさんやディレクターたちがとても格好良く輝いて見えました。素敵なアナウンサーさんたちの近くでアルバイト出来ることがとても楽しく、アルバイトをト「やめたい」と思うことがまったくなかったので、そのまま仕事にしてみようかと思いました。

細川:アナウンサーになりたての頃の仕事、エピソードを教えてください。
沼倉:入社後1年間の仕事は、約5分間の定時ニュースと天気予報の担当だけでした。正直言うと、担当番組がない入社後1年間は暇だと思ってました。でも、今思えば、ニュースを担当することは、最も大事で基本の仕事でした。退屈だと思っていた時間も、本来ならぱ、先輩の生放送を見学したり、練習をしたり、また、富山の風土や地名等を覚えるための「勉強の時間」でした。

細川:後輩の参考のためにいくつか聞きましょう。アナウンサー試験に通るには何を学べば良いいと思いますか。
沼倉:漢字の読み書き。正しい敬語のつかい方。それも、難しい敬語ではなく、相手や場所によって、敬語や謙譲語や丁寧語が使い分けられることが大切だた思います。それから、スポーツでも音楽でも、他の人には負けないほどの専門性を持っていること、あるいはそういう趣味を持っていること。

細川:アナウンススクールで学んでおくといいことは何だと思いますか。
沼倉:発音、発声、アクセント、原稿読みなど、アナウンスの基本は出来るだけ学んでおいたほうが良いと思います。放送局は即戦力を求める場合もあるし、新人研修を受ける余裕もないほど忙しい場合もあると思うので。

細川:アナウンサーになるために、学生時代にしておけばいいことは何だと思いますか。
沼倉:発音、発声などのアナウンスの基礎の勉強、一般常識、漢字の勉強でしょうか。アルバイトや海外留学などで社会や世界を積極的に知ることも良いと思います。

細川:アナウンサーに必要な資質、望ましい姿についてどう考えますか。
沼倉:自分の話ばかりをするのではなく、人の話を「聞き出せる」人。ひとの気持ちや痛みにより添える人。強い好奇心など…私も、頑張ります。。。

細川:学生のみなさんに励ましの言葉などいただけますか。
沼倉:学生時代、アナウンススクールで頂いた基礎練習の資料やレッスンのノートは今でも、仕事の重要参考資料になっています。先生からのご指導は、試験に合格するためだけでなく、放送の現場にも必要な情報がたくさん盛り込まれていたんです。ですから、学生のみなさんは、毎回のレッスンを大切になさってください。社会人になると、レッスンを受けたくても、なかなか受けられないものですし。アナウンサーは芸事だと思います。毎日が勉強であり勝負です。アナウンサーの仕事に終わりはないと思うのです。私も、まだまだ未熟モノ。一緒に頑張りましょ!

細川:では最後に、沼倉さんは今後、どのような仕事をしていきたいですか。
沼倉:流行に流されず、シンプルかつ分かりやすい、永く愛される番組づくりを心掛けていきたいです。レギュラー番組を週に10本抱えるのももちろん嬉しいですが、週に1本でも10年間続くような良質なラジオ番組づくりをしたいと思っています。ラジオDJの他にも、音楽会の司会やTVのナレーションなどのお仕事もできるだけ続けていきたいです。

沼倉真里子(ぬまくらまりこ)

仙台市出身
宮城学院女子大学 音楽科卒業
ブログ http://www.mariko826.com/
現在出演中(H21年8月現在)
FMとやま
「リバーリトリート雅楽倶presents Time Afer Time~good Music selection」(土曜18:00~18:55)
「SwedenHouse New Standard Songs」(土曜12:00~12:55)
「IN THE MORNTNG」(金曜7:45~9:00)
富山テレビ各種CMナレーション担当(例、タカラレーベン等)

FMとやま局アナ時代(平成11年~17年9月)、書ききれない程数多の番組を担当。音楽番組(クラシックも、ジャズも、民族音楽も!)を中心に、情報番組、ニュース、天気予報、ラジオCMナレーションなど、あらゆるお仕事を経験。番組でおしゃべりするだけでなく、5~10分番組の制作、選曲、番組内の原稿作成や構成も担当。中でも、クラシック音楽番組のパーソナリティ、音楽専門番組でのミュージシャンヘのインタビュー、ジャズやブラジル音楽の解説等を長く担当したことにより、周囲には「音楽が好きなDJ」としての定評を頂いています。
平成17年10月からフリー。FMとやま「竹内祥子のおしゃべりクラシックス」「イブニングファイル」等、東北放送(ラジオ)「河北新報ニュース」、富山テレビ「BBTスペシャル」、東北放送(テレビ)「JNNニュース」、各種イベント司会など