舞台は、神聖な場です。神聖な場に立つには、資格が必要です。舞台に立てる資格とは、「感じのいい人」でいることです。

悪い人の役だから、人柄なんてどうでもいい、というのは思い違いです。本当に悪い人が、悪い人の役を演じると、観るに耐えないひどい姿にみえるものではないでしょうか。根が意地の悪い人が、悪口のようなネガティブな台詞を吐くのを聞くと、気持ち悪くなるものではないでしょうか。

人というのは、人の本質を見極める能力があるものです。感じの悪い人からは、感じの悪いものが発せられるのが、わかります。悪い人の役を演じる人ほど、品があって素敵な人でなければいけません。悪役を魅力的に演じることができるのは、素敵な人だけです。

「感じのいい人」からは、感じのいいものが出るものです。感じのいい声と言葉を聞いた人は、気持ちよくなります。和みます。人を気持ちよく和ませる「感じのいい人」が、舞台に立てる資格を持っているのです。

舞台に立つ資格「感じのいい人」とは、品のある人。華のある人。正しい人。善意で行動する人。責任感のある人。明るい人。優しい人。あたたかい人。気がつく人。気の利く人。気遣いができる人。気配りができる人。素直な人。謙虚な人。心の美しい人。心の清らかな人。思いやりのある人。まわりと調和する人。裏表のない人。。。

テレビやラジオに出演する人も、講演をする人も、演奏する人も、歌う人も、資格は同じです。人前で声や言葉を発する人は、プロもアマチュアもみな、「感じのいい人」という資格をもって舞台に立ちましょう。「感じのいい人」になりましょう。世の中の人を和ませるために。

(2011.12.24)