ここ数年、私のアナウンススクールの学生たちは、途中であきらめなければ、ほぼ100パーセント、自分の好きな仕事、やりがいのある仕事に就いています。身分は、正社員、臨時、フリーなどいろいろですが、卒業時点では、満足して巣立っています。

どういう人が採用されるのかというと、<自分の性格や特性のいいところ、よくないところをよくわかっている人>です。就活をはじめる大学3年生の時は、わかっていなくても、面接を受けるたびに、冷静に自分を省みることができる人です。

就活をしていると、これまでの自分をかえなければならなくなります。自分のイヤな面、できないこと、逃げたことを、認めなければいけません。目を背けてきたことを改善しなければ、就職できません。正しく生き、日々成長しなければいけないことに気づきます。就活は、大人への第一歩です。<自分を大人へとかえられる人>が、採用されます。

面接で、うまくできたと思っても、採用されないことはよくあります。落ちると、ガッカリします。自分が否定されたような気持ちになるのでしょう。冷静に考えると、自分よりできる人は、世の中にたくさんいるものだと気づきます。採用されないのは、自分が悪いわけではなく、もう少しプラスアルファがあればいいということがわかります。挫けずに<自分をさらに磨こうと頑張れる人>が、仕事に就けます。

採用する側は、自社の仕事を好きであること、自社の役に立つために頑張れる人、自社で喜んで働いてくれる人かどうかを見極めます。会社は、時間とお金をかけて、仕事ができるように教育するわけですから、イヤなことがあったぐらいで辞めたり、挫けたり、流されたり、しっかりしない人は、採用しません。タフで大人の人、大変な時こそ頑張れる、<信用できる人>がほしいのです。人柄を見極めるために、面接で厳しい質問をされることもあるでしょう。いくらとりつくろっても、自分のイヤな面も、弱さも、すべて明らかにされます。

就活とは、自分とのたたかいです。幼い人、自分のイヤな面を改善しない人は、面接での厳しい質問にこたえられなくて、自信をなくしてしまいます。適当なところに仕事を決めて、本命の仕事を諦めてしまうこともあります。感情にまかせて仕事を決めてしまうと、人生の途中で「もっと頑張っておけばよかった」と後悔してしまいます。苦しくなったら、落ち着いて、深い呼吸をして、「諦めていいのか」、よ~く自分の心の声を聞いてみましょう。

私のスクールでは、真剣に自分と向き合って、就活に取り組んだ人は、いい顔をして卒業していきます。大人へと成長した姿に、嬉しくなります。就活とは、大人になるための試験のようなものです。だから、逃げてはいけないのです。

* 私のアナウンススクールでは、アナウンサー、放送局や一般企業の社員など、さまざまな仕事を志望する学生、社会人が学んでいます。社会人として役に立つレッスンを行っています。講師の私は、レッスン生が頑張る限り、適切に指導し、面倒をみます。

(2011.08.11)