古典を読むのが好きです。このところは、『竹取物語』『方丈記』『和泉式部日記』を何度も、何度も、声に出して読んでいます。毎日のように……。

古文を読むときには、まず、原文を声に出してみます。はじめは、はっきりとした意味はわからないのですが、くりかえして読んでいるうちに、意外と意味がわかってくるものです。それが、面白いです。

細かい状況や言葉の意味が知りたくなったら、解説を読んでみます。訳文や解説を読むと、物語の世界、時代背景などがよくわかって、もっと読みたくなります。

古文を読むのはむずかしい、と思って躊躇してしまうかもしれません。ですが、古文を前に素直な気持ちでのぞむと、自然に声が出せます。まるで、「こうして読めばいいんだよ」と導いてくれるかのようです。

声に出して読むということは、黙読では得られない心地よさがあります。それは、心が解放されるような気持ちよさです。

時折、私が読んでいるのに、私でないような……、不思議な感覚になります。古典は、千年の時を越えて現代に残ったもの。遙かな時をへて、私たちに伝えたいことがあるのでしょうか。今後、さらに読みこんでいくと、それが何なのかわかるかもしれません。楽しみです。

(2009.4.11)